アメリカの現代建築6選【西海岸編】

3ヵ国目 アメリカ

アメリカ西海岸のおすすめ有名建築

旅の間も建築が気になってしまう、建築業界出身のGreenです。海外には様々な建築があり、日本ではつくることができないような奇抜な建築も存在します。建築は「見て」「空間体験して」「撮影して」楽しめる最高の観光スポットです。ということで、今回はアメリカ西海岸にある現代建築でおすすめを6つ紹介しようと思います。

①インスタ映えの建築【ウォルト・ディズニー・コンサートホール】

まず初めにロサンゼルスの顔となる建築、ウォルト・ディズニー・コンサートホールを紹介します。ウォルト・ディズニー・コンサートホールの計画はウォルト・ディズニーの妻リリアン・ディズニーを筆頭に進められました。設計はビルバオ・グッゲンハイム美術館を設計したことで有名なフランク・O・ゲーリーが担当し、見ているだけでも楽しめるコンサートホールが完成しました。

設計【フランク・O・ゲーリー】

フランク・O・ゲーリーはカナダ出身の建築家で、見る者を魅了する建築を作り続けています。彼によってつくられる建築は、水平垂直を抑えてグネグネと歪んでおり、おまけに光を反射する素材を用いるので、わけのわからない建築が多いです。もはや建築ではなく芸術といってよいでしょう。詳しくは彼の代表作ビルバオ・グッゲンハイム美術館の記事を読んでみてください。

輝く外壁

このホールはとにかく輝いています。この建築は交差点に面しているのですが、外壁が光を反射し、しかも曲線になっているので、どの時間でも、どこの場所からでも、まぶしいです。いやでも目に入ってくるので宣伝効果は大きいでしょうが、信号待ちをしている車や人はまぶしくてかなわないですね…。

どこから見てもかっこいい

この建築は普通の建築の様に東西南北の4方向では表現しきれないつくりになっています。少しでも見る角度を変えると見える外壁の形が変わり、光の反射も変わります。いろんな角度から眺めてみましょう。

インスタ映えする建築

写真はエントランス近くから空を見上げた様子です。もちろん魚眼レンズなど使わず、普通のレンズでこの歪みを撮ることができます。空の青が外壁パネルにも反射していて青い世界が出来上がっています。このように自分オリジナルの写真スポットを探すのも楽しいですね。インスタ映えするようなフォトジェニックな建築です。

細部のこだわり

ステンレススチールのパネルを繋いでこの曲線を作っていますが、角になる部分も綺麗に収まっています。このパネル1枚1枚を精密に作る技術と、それを綺麗に施工する技術には脱帽ですね。

垂直ではない空間

この建築は外観だけでなく、建築内部もすごいんです。エントランスホールに入るとグネグネと歪んだ世界が広がります。

傾く柱

テーブルとイスが並べられた普通の空間…、のはずですがよく見ると柱が傾いています。この建築は床意外ほとんど傾いていますね。

概要

名称:ウォルト・ディズニー・コンサートホール(Walt Disney Concert Hall)
設計:フランク・O・ゲーリー
住所:111 S Grand Ave, Los Angeles, CA 90012
参考:https://www.laphil.com/about/our-venues/

②南国の雰囲気満点【天使のマリア大聖堂】

続いて、ウォルト・ディズニー・コンサートホールのすぐ近くにある天使のマリア大聖堂を紹介します。この建築はカトリックの大聖堂で、2002年に完成した比較的新しい大聖堂です。多くの人が想像する伝統的な中世の大聖堂とは異なり、かなりモダンな建築になっています。

設計【ホセ・ラファエル・モネオ】

設計はスペイン出身のホセ・ラファエル・モネオで、建築界のノーベル賞であるプリツカー賞を受賞しており、スペインを代表する建築家の1人です。

アメリカで最大のカトリックの大聖堂!?

天使のマリア大聖堂はアメリカで最大の大聖堂としてネット上で紹介されています。しかし、アメリカで最大の教会は他にもあり、ニューヨークのセント パトリック大聖堂も候補にあがっています。敷地面積なのか…延床面積なのか…、なにが最大という根拠なのかはわかりませんが、確かにこの教会は巨大です。

礼拝堂の工夫

礼拝堂に入ると伝統的な大聖堂とは異なる点を多く見つけることができます。その1つがアシンメトリーの構成です。左右非対称なので自然と動きのある空間になっています。また、奥にある十字の窓からはたくさんの自然光が入ってきて、とても美しいです。

パイプオルガンと光

礼拝堂には巨大なパイプオルガンも設置されています。そのパイプオルガンの横や天井部分から自然光が入ってきます。美しい音色と光が神聖な空間を演出していますね。

概要

名称:天使のマリア大聖堂(Cathedral of Our Lady of the Angels)
設計:ホセ・ラファエル・モネオ
住所:555 W Temple St, Los Angeles, CA 90012
参考:http://www.olacathedral.org/

③近代美術と言えばSFMoMA【サンフランシスコ近代美術館】

続いてはサンフランシスコ近代美術館(通称SFMoMA)を紹介します。ニューヨーク近代美術館(MOMA)に対して、こちらはサンフランシスコなので(SFMoMA)という名前で呼ばれています。

設計【マリオ・ボッタ】

スイス出身の有名建築家マリオボッタによって設計されました。光と影をうまく扱う建築家として知られており、日本でも渋谷にあるワタリウム美術館を設計しています。

光井戸の空間

エントランスを抜けると上空に自然光がたくさん降り注ぐ円柱状の空間があります。これこそマリオボッタが良く使う手法の光井戸で、白い円柱状の空間に反射しながら、柔らかい光が落ちてきます。ちなみにソウルで訪れたサムスン美術館リウムにも全く同じような空間があります。マリオボッタのサムスン美術館リウムは下のリンク先にまとめています。

流れるようなファサード

この美術館の側面には流れるような凹凸のある外壁と、小さな窓が付いているのですが、この美術館全体とは雰囲気が異なります。こちらは拡張工事の際に北欧の建築家ユニット、スノヘッタによってデザインされているようです。

リチャードセラ

裏手側のホールにはサンフランシスコ出身の芸術家リチャードセラの「ボード」が展示されています。どうやらとても有名なアートのようで、先に紹介したフランク・O・ゲーリーのグッゲンハイム美術館でも展示されていました。歩きながら空間を体験するアートなので、建築に近いものがありますね。常設展として設置されているのかはわかりませんが、見かけたら是非体験してください。

概要

名称:サンフランシスコ近代美術館(SFMoMA)
設計:マリオ・ボッタ
住所:151 3rd St, San Francisco, CA 94103
参考:https://www.sfmoma.org/

④博覧会の跡地にある【デ・ヤング美術館】

続いてもサンフランシスコからデ・ヤング美術館を紹介します。こちらはゴールデン・ゲート・パークの敷地内にあり、1894年に行われたサンフランシスコ国際博覧会の翌年にオープンしています。建築自体は2005年にリニューアルオープンしたもので比較的新しい美術館となっています。

設計【ヘルツォーク&ド・ムーロン】

ヘルツォーク&ド・ムーロンは共にスイス出身であるヘルツォークとド・ムーロンによる建築家ユニットです。彼らもプリツカー賞を受賞する程の有名建築家で、日本では青山にあるプラダのブティックを設計しています。

独特な外壁

この建築は独特な外壁をしており、大きさや個数に変化のある穴があけられたパンチングの鉄板が使われています。このパネルのおかげで不思議な雰囲気を醸し出しています。

概要

名称:デ・ヤング美術館(De Young Museum)
設計:ヘルツォーク&ド・ムーロン
住所:50 Hagiwara Tea Garden Dr, San Francisco, CA 94118
参考:https://deyoung.famsf.org/

⑤グネグネのフォトジェニックな建築【ミュージアム・オブ・ポップカルチャー】

ここからはシアトルにある現代建築です。まずは先に紹介したウォルト・ディズニー・コンサートホールを設計したフランク・O・ゲーリーによる、ミュージアム・オブ・ポップカルチャーです。この博物館は元々ミュージック関係の博物館としてEMP博物館と呼ばれていました。しかし、2016年からは映画やアートなども取り扱い、総合的なポップカルチャーの博物館として名称もMoPOPに変更になりました。

設計【フランク・O・ゲーリー】

フランク・O・ゲーリーについては先に書いているのでここでは省略します。

歪みと輝き

この建築はウォルト・ディズニー・コンサートホールよりもさらに歪んでおり、またシルバーだけでなく、多くの色が使われています。詳しくはシアトルの現代建築をまとめた記事を読んでみてください。

概要

名称:ミュージアム・オブ・ポップカルチャー(MoPOP)
設計:フランク・O・ゲーリー
住所:325 5th Ave N, Seattle, WA 98109
参考:https://www.mopop.org/

⑥機能もデザインも洗礼された【シアトル中央図書館】

最後に紹介するのはシアトル中央図書館です。この建築はガラス張りで独特な形をしており、図書館とは思えないほどかっこいい建築となっています。設計したOMAのレム・コールハースによると、平積みした本をイメージしているそうです。

設計【OMA】

設計はOMAというオランダの建築設計事務所を設立した、レム・コールハースによって設計されました。もちろん彼もプリツカー賞受賞者です。

機能的な生きる建築

この建築についてもシアトルの現代建築をまとめた記事にまとめていますので、そちらを読んでみてください。少し専門的な空間の話も書いています。

概要

名称:シアトル中央図書館(Seattle public library)
設計:OMA(レムコールハース)
住所:1000 4th Ave, Seattle, WA 98104
参考:https://www.spl.org/

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回紹介したのは実際に僕が訪れた建築だけですので、アメリカ西海岸の有名建築のほんの一部にすぎません。面白い建築は他にもたくさんあるので、アメリカを訪れる際は是非建築にも目を向けてみてください。

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