マラケシュのベン・ユーセフ・マドラサを観光
皆さん、こんにちは!
世界一周トラベラーのGreenです。
今回はマラケシュにあるイスラム神学校、ベン・ユーセフ・マドラサを見学した時の情報です。
異文化の学校は建築の作り方からして独特でした!
ベン・ユーセフ・マドラサとは
ベン・ユーセフ・マドラサは16世紀後半につくられ、当時のイスラム神学校としては最大規模だったようです。
全寮制の学校で130の部屋に対して、800人以上の生徒が生活していたようです。
単純計算で1部屋6人の相部屋ということですね。
1960年には閉鎖され、1982年に史跡として一般公開されています。
イスラム神学校とは
そもそもイスラム神学校がなんなのかわからなかったので、少し調べてみました。
イスラム神学校は元々法学や歴史、自然科学を学ぶ広範な教育施設だったようです。
しかし、現在では宗教教育の専門機関になっており、イスラム教の歴史や思想、信仰生活の教育を行う施設が多いとのことです。
典型的なマドラサ(神学校)には2つのコースがあるようで、「ヒフズ」というコーランを暗唱するコースか、「ウラマー(専門的な学者)」を養成するためのコースがあるようです。
イスラム建築の特長
続いてはベン・ユーセフ・マドラサの建築を見ていきたいと思います。
ベン・ユーセフ・マドラサはイスラム建築の特長通り、外は外壁に覆われており、派手な入口もありません。
しかし小さい入口を進んで行くと美しい中庭が現れるんです。
イスラム建築は外に対しては閉じ、内に対して開けている、というのが特徴の1つになっているようです。
開放的な中庭
内側に開放されたイスラム建築
この学校の最も快適な場所が中庭です。
外の小さな入口から入ってくると、自然と中庭に出るように設計されています。
この中庭に面して各居室や礼拝場所が設置されています。
祈祷ホール
中庭に面して、祈りをささげる為の部屋が設置されていました。
小さな空間ですが、特別な場所であるのが伝わってきます。
廊下
天窓による採光
中庭から建築内部に入ると長い廊下があり、突き当りが自然光で明るくなっていることに気が付きます。
廊下の途中にも天窓があり、自然光が落ちてくるので、窓のない廊下でも比較的明るくなっていました。
突き当りの自然光
廊下の付き当たりに自然光が落ちる場所が意図的に作られることにより、いやでも視線が奥に引き込まれます。
その為、自然と奥まで足を運んでしまうつくりになっています。
光井戸に集まる窓
廊下にある光井戸に面して居室の窓も設けられています。
自然と人が集まる空間がつくられていました。
光井戸兼煙突
自然光の落ちる明るい空間
各居室は自然光が落ちてくる吹抜けの回廊に面して設置されています。
休憩時間にここで学生達がくつろいでいる光景が目に浮かびますね。
光井戸としての機能
吹き抜け空間なので、もちろん1階とも繋がていて、コミュニケーションを誘発させるアイデアの詰まった空間になっています。
煙突効果で自然のエアコン
またこの吹抜けは天窓まで開放されており、建物全体を冷やす効果があります。
暖まった室内の空気は自然と上に溜まるので、天窓付近に集まります。
そしてその集まった暖かい空気は天窓の隙間を通って外に抜けていき、煙突効果を発揮しています。
イスラム建築ではこの煙突効果のある吹抜けを設けることが多いですね。
薄暗い居室に差し込む光
中庭側の居室
続いては学生が実際に寝起きをしていた居室を見学します。
中庭に面した居室はデザインされた開口があり、美しい光と影を生みだしています。
居室空間
居室の内部はシンプルな空間が広がっています。
扉と窓があり、あとは何もない6~10畳くらいの空間があります。
ただし、部屋によっては窓もなく独房のような空間が広がっています。
不思議な開口
居室には窓の他にも棚として使えるような開口も設けられています。
大きさも高さもランダムなのが面白いですね。
天井付近の窓
天井付近にのみ窓が設置されている部屋もあります。
暗い部屋に光の筋が美しいですね。
人によっては独房に見えるかもしれませんが、芸術的な光を感じることができる部屋としても見れますね。
宗教観や意識、感性で物の価値感は大きく変わるものです。
2階建ての居室
居室内に床を設けて、2階建てにしている部屋もありました。
下は収納として使っていたと思いたいですが、このサイズで6人住んでいたと考えると、下でも寝てそうですね…。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はマラケシュにある神学校のベン・ユーセフ・マドラサを紹介しました。
イスラム建築に興味がある方は是非訪れてみてください。
コメント